愛媛県新居浜市

2023/01/25 08:00

トライアングルエヒメ広報事務局

愛媛県では、アフターコロナを見据え、産業の稼ぐ力の更なる強化のため、デジタル技術やロボットを実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を展開中。

採択事業者のプロジェクトの様子をお届けしています。

新居浜市で水道管漏水調査を実施【NECネッツエスアイ株式会社】

水は人の暮らしに欠かせない。水道インフラを守ることは、人や社会を守ることに他ならない。

「NECネッツエスアイ株式会社」が提供する「水道管路漏水検知ソリューション」は、地中にある水道管の漏水を、地上から高精度かつ効率的に検知しようとするものだ。

適切な水道管の維持管理で水資源と人々を守る仕組みづくりを目指し、同社は実証フィールドの新居浜市で検証を進めている。

新居浜市で全国初の検証が進行中

衛星画像解析やAIなど複数のデジタル技術を組み合わせて実現する本ソリューション。現地フィールドへの適用は、今回の新居浜市での検証が全国初の事例となる。

検証は以下の3ステップで進行する。
[ステップ1] マクロ解析:人工衛星画像解析による漏水エリア絞り込み
[ステップ2] ミクロ解析:ロガー(センサ)による地上調査で漏水疑義箇所を特定
[ステップ3] 情報統合プラットフォームを活用した総合分析

12月上旬、ステップ1を終えステップ2を進行中の現地を訪れた。

ロガーの設置

ステップ1で市内水道管路全域から検出された漏水の疑いがあるエリアについて、ステップ2の調査計画を策定し、順次現地に展開している。

長さ10cmほどの本体にワイヤーアンテナがついたロガー

調査に使用するロガーは長さ10cmほどの筒状の無線機器。水道管の仕切弁や止水栓に設置し、自動で漏水音のデータを集積するシステム機材だ。

生活音を極力避けるため夜中の集音が望ましい漏水調査において、このような自動計測の機器なら作業員の負荷も軽減できる。

ロガーには事前にタブレット端末から計測時間や相関回数などの稼働プログラム設定を行っておく。

ロガーごとに個別の設定ができるので、設置環境に合わせたプログラミングで効果的な情報収集が望める。

また稼働時間・通信時間を必要最小限にできるため、省力運用も可能だ。

ロガー底面の強力な磁石で水道管の弁栓類に付着設置

設置の際はロガーとの通信によりタブレット端末の地図画面に設置場所が表示される。

同エリア内に複数のロガーを設置し相関調査を行うが、その際のポイント情報、距離情報などをデータ化・可視化でき、後の結果分析においても有用な情報となる。

データ回収

夜間に調査を行い、ロガーに集積されたデータを回収する。

この時、ロガーは地中に設置したままでよく、付近に行けば車中からでもデータを回収できる。

無線受信機によるデータ通信でタブレット端末に格納、さらにその場でクラウドへのデータアップロードまで完了する。

データ解析

回収したデータの解析は、地図情報や音のグラフ化データなどグラフィカルな情報も活用し実施する。

音の大小強弱(音圧などの数値)や連続性などから、水音と電気音などの判別、漏水か否かの判別などを実施していく。

※サンプル画像

解析における大きな指針は次の通り。
エリア内の「複数のロガーの組み合わせ」で、「連続して複数日数」に、「同一箇所の音源を検出」した場合に、その地点を「漏水疑義箇所(漏水の疑いがある箇所)」と判断し得る。

一箇所、一度等の単体情報は偶発の可能性もあるため、相関分析を重ねて妥当性・確実性を高めるのだ。

効果考察、今後への期待

調査で検出した全箇所に必ず漏水があるわけではなく、あくまでも「疑い」である。

しかしながら、従来漏水は市民の通報で発覚することが多く、つまり地下の漏水が地上へ噴出するまでわからないことが多いという。

それならば「疑いの事前検知」は、大事故を未然に防ぐ手段になり得るかもしれない。そういった将来性や新しい取り組みの可能性にも視野が広がる。

まもなく全調査が完了し、総合分析が本格化する。
現状の人の手、人の耳による漏水有無の調査と比較して、どのくらいの効果を示すことができるか。コスト、期間、そして検出漏水箇所の位置精度、あらゆる角度から結果を分析整理する。

さらに検証の後、次年度以降に事業は次の段階へ進む予定である。水道管路更新計画の立案だ。検証が立案にもたらす効果にも期待がかかる。

今回の新居浜市での検証が、今後の水道インフラ保全への革新的な道筋となるか、長期的視野で経過を見守りたい。

※掲載写真の調査場所や画面内地図表示などは、実際の漏水疑義箇所を示すものではありません。

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