愛媛県今治市

2023/01/25 08:00

トライアングルエヒメ広報事務局

愛媛県では、アフターコロナを見据え、産業の稼ぐ力の更なる強化のため、デジタル技術やロボットを実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を展開中。

採択事業者のプロジェクトの様子をお届けしています。

アシックスのデジタル技術を活用した健康増進プログラム「AHCC」 を使って今治市民の健全度を評価【株式会社今治.夢スポーツ】

2022年よりFC今治(運営会社:(株)今治.夢スポーツ)とアシックスが共創して進めているのが、「AHCC」を用いてFC今治ファンコミュニティを中心に今治市民の心身の健康向上を図るプロジェクト。

「AHCC」とは、アシックスがデジタル技術を活用して開発した健康増進プログラムのことで、このチェックを受けると自分自身で健康管理マネジメントができるようになる。

本記事では、11月に実装された「AHCC」の測定会の様子をレポートする。

「AHCC」の実装によりFC今治ファンコミュニティを中心に市民の健康寿命延伸を図る

愛媛県今治市をホームタウンとする、Jリーグクラブ・FC今治。

2022シーズンより FC今治とアシックスはユニフォームサプライヤー契約を結んでいるが、地域の人々の心身の健康向上への取り組み方針が一致し、ウェアサプライにとどまらない連携を加速している。

そのひとつが、今年6月からスタートしたアシックスの先進技術「ASICS HEALTH CARE CHECK(アシックスヘルスケアチェック)」(以下AHCC)を使った健康プログラムだ。

今治では車中心の社会で普段から歩く回数や運動する機会が少ない上に、高齢化社会、平均寿命と健康寿命の差という健康課題が内在しているが、このプログラムを実装することにより市民の運動習慣の定着、健康寿命延伸を図ることを狙いとする。

歩行能力、体組成、体力、ストレス、認知機能の5つを測定

「AHCC」の健康チェックを受けることで、自分の健全年齢や健康状態などを知ることが可能

「AHCC」の健康増進プログラムでは、「歩行能力」「体組成(たいそせい)」「体力」「ストレス」「認知機能」の5つの要素を6つの項目に分けて測定することで、健全度を評価することができる。

FC今治とアシックスでは、このプログラムを今治市内で実装するにあたり大きく4つのフェーズを設けている。

第1フェーズは、8月13日(土)、14日(日)のヘルスケアウィーク期間中に「しまなみアースランド」(今治市)内において行われた体力判定イベント。

このイベントは「AHCC」の一部を用いたトライアルの体力測定(握力、閉眼片足立ちなど)で、来たる11月に行う本格的な「AHCC」健康プログラムへ向けた告知の一環として実施されたもの。

お盆期間ということもあり、小学生から年配の方まで多くの市民が参加し、自身の体力を知るきっかけとなった。

体力判定イベントの様子

11月の実装プログラムでは3日間で約100名の参加者が訪れた

第2フェーズは、「AHCC」のフルコンテンツを用いた健康プログラムの実施だ。

このイベントは11月25日(金)〜11月27日(日)の3日間にわたり「イオンモール今治新都市」内のイオンホールで行われた。

当日は今治市内在住者を中心に、下は20歳から、上は70代まで幅広い世代の参加者が訪れていた。

会場にはアシックスのヘルスケアチェック担当者が訪れ、直に測定を行なった

当日実施された健康プログラムの測定項目は下記の6項目。

【静的測定項目】
(1)ストレス(加速度脈波測定)
アルテットを用いて行う、健康年齢とストレスチェック。
指先の脈波の形状から、血管年齢、ストレス対処能、ストレス状態を評価する。
血管年齢は、血管の老化度の指標で、動脈硬化など生活習慣病リスクの目安にもなり、またストレスチェックでは自分では気づかないようなメンタルヘルスの状態を確認することができる。

(2)体組成(体組成測定)
身長計、体組成計を用いて、体組成を測定する。
体組成とは、筋肉・脂肪・水分など体を構成する成分をいい、筋肉量や脂肪の割合などは運動やダイエットの成果を判断する際のよい指標になる。

(3)認知機能(認知機能テスト)
脳活バランサーを用いて認知機能を測定する。
認知機能とは、日常生活を送るうえで物事を正しく理解し、状況に応じて適切に実行する機能のこと。
若年期から継続的に測定することにより、個々の特性や変化を把握することができ、認知症の早期発見・予防・治療にも役立つ。

写真は静的測定項目のひとつ、認知機能チェックの様子。タブレット上に問題が表示され、ゲーム感覚で取り組むことができる

【動的測定項目】
(4)筋力・平衡性(握力・脚力・平衡性測定)
握力は、握力計を用いてものを握る力を測定。
握力は全身の筋力と高い相関があると言われている。
また脚力は5回椅子立ち上がりテストを用いて下肢筋力を測定する。筋力は加齢とともに衰えていく傾向があるので、同性同世代と比較して自身の筋力レベルを継続的にチェックすることが必要。また平衡性では、閉眼片足立ちを用いて測定する。

(5)歩行能力
アシックス独自の歩行姿勢測定システムを用いて「歩行年齢」を測定。
「歩行年齢」とは、「歩く速さ」「ふらつき」「身体の軸」など6つの異なる分野から、歩行能力が何歳に相当するかを総合的に評価した指標。
元気に歩き続けることは健康的な生活の基盤で、特に歩く速さは健康寿命との関連が報告されている。

(6)持久力(アンケート方式)
心肺機能(最大酸素摂取量)をアンケート方式で回答。4つの設問と体組成の測定結果から高い精度で心肺持久力を推定する。

写真は動静的測定項目のひとつ、関節可動域の歩行能力チェックの様子

測定結果を反映した個別のトレーニングメニューをアプリから提供

そして、11月に行われた健康プログラムをもとに、実装ステージは第3フェーズへと移行する。

プログラム参加者が、アプリ「アシックス ウェルネス コンサルタント」に登録することで、この日の測定結果(脳活年齢、体力年齢、歩行年齢からなる健全年齢など)をスマホから確認することができるのだ。

さらに、個人個人に合った強度にカスタマイズされたトレーニングメニューもアプリを通して提供してくれる。

トレーニング動画は全部で100種類と多彩。
お勧めのトレーニングは測定の結果によって変わるが、お勧めに飽きたらほかのトレーニングに挑戦することもできる。

プログラム参加者は、その場でアプリに登録。測定結果は1〜2日後にアプリに届く

また、トレーニングはオンライン上だけにとどまらない。

参加者が離脱せずにしっかりとトレーニングできるように、オフラインでもイベントを開催して伴走してくれる。

具体的には、12月4日(日)に「しまなみアースランド」(今治市)でランニング&ウォーキングイベントを、1月22日(日)に「イオンモール今治新都市」でウォーキングイベントも開催。

今治にはランニングクリニックなどがないため運動を定期的に提供される機会が少ないが、このイベントではプロのランニングコーチ指導のもと、運動に触れる機会を創出してくれる。

3カ月後のゴールに向けて健全度の向上をサポート

そしてゴールとなる第4フェーズは、3カ月後の2023年2月に実施される2回目の「AHCC」の健康プログラムだ。

11月から2月までの3カ月間に、アプリから提供さえる個別トレーニングとランニング&ウォーキングイベントを継続的に行うことで、参加者の健全年齢がどのぐらい向上したかを図る。

アシックス ヘルスケアチェック担当・江島れい子さん

アシックス担当者によると「2〜3カ月継続して運動すれば、スコアに顕著に現れます。
まずは今の健康位置を図る健全度を知ることが、病気にならないための第一歩です」と語ってくれた。

なお2回目の健康プログラム実施場所は、2023年1月に竣工するFC今治のホームグラウンド「里山スタジアム」を予定している。

FC今治担当者によると「里山スタジアムには、365日の賑わいを作るというコンセプトがあり、例えば里山スタジアムの周りにランニングコースを設置する、ランニングクラブを作る、といったアイディアもあります。

スポーツに興味のある人たちが継続的に集まることのできる場所を提供していきたいと思っています」とのこと。

第4フェーズのゴールに向けた、心身の健康向上を図る両社の取り組みを、今後もTRY ANGLE EHIME編集部では密着していく。

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