愛媛県

2023/02/14 14:00

えひめのあぷり編集部

愛媛県では、アフターコロナを見据え、産業の稼ぐ力の更なる強化のため、デジタル技術やロボットを実装し、地域課題の解決にチャレンジする「デジタル実装加速化プロジェクト」を展開中。

採択事業者のプロジェクトの様子をお届けしています。

持続可能な介護システムで介護に関わる人を幸せに【株式会社ウェルモ】

少子高齢化が進む日本は、今後介護業界の市場規模がどんどん大きくなると言われている。

しかし、介護業界には次の3つの課題がある。
①少子高齢化による人手不足
②介護の質の向上
③データの不足
そこで、介護のシステム化でより効率的に、【稼げる介護】を目指し、介護に関わる人や高齢者、その家族みんなが幸せになるためのプロジェクトが愛媛で実装される。

介護業界の課題①:少子高齢化による人手不足

まず、介護業界の課題として挙げられるのが、「少子高齢化による人手不足」。
財務省の調べによると、約40年後(2065年)までに65歳以上人口はほぼ横ばいで推移する一方で、20歳~64歳の人口は大幅に減少し、高齢化率は約10%程度上昇することが見込まれている(※)。

今後介護業界の市場規模が広がっていくことが想定されるが、少子化が進む=働き手の減少が心配される。
実際愛媛県でも介護職員の数が年々減少傾向にあり、特に在宅介護サービスの利用について意思決定をする役目を担うケアマネジャーは、人材不足が進んでいるという。

(※ 財務省「国勢調査」、「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年 4月推計)」より)

介護業界の課題②:介護の質の向上

2つ目の課題が、「介護の質の向上」。
その対策の手段として導入されたのが、2021年度の介護報酬改定により開始した「科学的介護情報システム(以下:LIFE)」。

「LIFE」とは、エビデンスに基づいた自立支援・重度化防止等を進めるために、科学的に妥当性のある指標等を収集・蓄積及び分析し、分析の結果を現場にフィードバックをする仕組みのこと。
PDCAサイクルを回すことで、より質の高い介護を提供できるようになると言われている。

介護業界の課題③:データの不足

そして3つ目の課題は、「データの不足」。
介護に関わるケアマネジャー、介護事業所、利用者それぞれで、下記のような「データの不足」が挙げられる。

【ケアマネジャーの場合】
利用者の生活状態がブラックボックス化している。また、地域の介護保険内外のケア資源を必ずしも全て把握できているわけではない。

【介護事業所の場合】
施設で提供するケア内容のデータ化や、ケアの結果データの活用が十分には行われていない。

【利用者の場合】
ケアマネジャーや介護事業所に提案、提供されるケアが、どういった背景で提案、提供されているか、必ずしも十分には分かっていない。

これら①~③の課題を解決するためには、地域のケア資源や各事業所でのケア内容、居宅での生活状態などを可視化し、円滑にする必要がある。

そこで立ち上がったのが、今回のチャレンジャー「株式会社ウェルモ」だ。

3つのサービスを使い、効率的で質の高い介護サービスを提供

(チャレンジャー:株式会社ウェルモ)

「株式会社ウェルモ」は、介護福祉領域での意思決定補助⼈⼯知能サービスの開発や、介護サービス情報プラットフォーム提供など、介護福祉に関するサービス開発を行う企業だ。

今回愛媛県内で同社が主に取り組むサービスは、下記の3つ。

① 地域ケア情報見える化サイト「ミルモネット」
② 独居高齢者向けモニタリングサービス「居宅内モニタリングシステム」
③ デジタル技術等を用いて行われるレクリエーションのPF「アクティビティPF(プラットフォーム)」

それぞれのサービスの特徴は次の通り。

地域ケア情報見える化サイト「ミルモネット」

(実装フィールド:松山市を中心に愛媛県全域)

「millmo net(ミルモネット)」とは、介護事業者、ケアマネジャー、行政のケア担当者など、介護に関わる人・情報を公平につなぐための無料の介護事業所等の情報検索サイト。
これまで紙で管理しており把握が困難だった情報を、このサイトに集約することでより地域と連携したケアが可能になる。

高齢者向けモニタリングシステム

(実装フィールド:松山市・砥部町)
「高齢者向けモニタリングシステム」は、浴室、トイレ、寝室等にセンサーを設置し、生活行動を可視化。
そのデータを見て、ケアマネジャー等が対象の高齢者のケアに役立てる。

アクティビティPF

(実装フィールド:松山市)

普段、介護事業所の中で行われている様々なレクリエーションに、AIやデジタル技術を加えて、新たな効果の創出を図る。

今回の実装では、動画と対話型AIインタラクティブを使った「食」のアクティビティを実施。

高齢になると味覚がだんだん衰えたり、食が細くなったり、同じものばかり食べてしまい栄養が偏ったり…。
そうした課題に対し、動画と対話型インタラクティブで五感を刺激する新たな食事体験を提供。コミュニケーションや発語を醸成し、食事をする楽しみを再提案する。

アクティビティでは、動画の中で展開されるメニューが、リアルに提供されるのだが、そのメニューは介護食ではなく、石川県小松市にある「SHÓKUDŌ Yarn(ショクドウヤーン)」の米田シェフと共同で開発したもの。

メニュー開発には高齢者でも食べられるガストロノミーというフレンチの技法を用いた。

提供予定メニューは、柔らかいとうもろこしと、香りづけを強くして塩味を抑えたオリジナル、鯛のしんじょうを提供。食材は愛媛の真鯛と愛南ゴールドを使用した有限会社ハマスイ(南宇和郡)の愛南ゴールド真鯛を本実証用に再開発を依頼した。

高齢者と家族にあたりまえの幸せを

株式会社ウェルモが提供するこれらのサービスを通じ、介護業界が抱える課題を解決に導き、高齢者とその家族、介護に関わる人の幸せを実現するプロジェクトが愛媛で今走り出した。

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トライアングルエヒメ広報事務局

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